日刊競馬コラム
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◎伝貧馬とは?
(真性馬伝染性貧血馬)

 ウイルスによる感染症で、馬特有の法定伝染病。略して伝貧(でんぴん)と呼ばれる。感染経路は母馬から子馬への垂直感染、吸血昆虫の媒介による水平感染がある。

 罹患すると重篤な貧血症状を起こす。まず40℃以上の高熱を発し、3~4日で解熱後、1週間から10日間隔で同じような発熱を繰り返す。と同時に貧血の程度を増していく。重症例では虚脱に陥り、死に至る。ウイルスが変異する性質を持つため有効なワクチンがなく、完治は期待できない。よって真症馬の診断が下ると、蔓延を防ぐため殺処分となる。

 日本では1952年(昭和27年)に約9000頭の伝貧馬が摘発。以後徐々に数を減らし、問題の1965年は560頭(うち競走馬32頭)、1980年代に入ると100頭を切り、1993年(平成5年)の2頭を最後に症例の報告はない。ただし、欧米やオーストラリアでは現在も発生が絶えず、この疾病の進入に対する警戒は依然必要である。

 JRAでは毎年2回の在厩馬の定期検査、および入厩検疫を行っている。