日刊競馬コラム
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日刊競馬で振り返るGI
フラワーパーク
(1996年高松宮杯)

◎不思議な偶然◎


レース柱(979KB)


 高松宮記念を担当することになり、まず、どの年のことを書くかを決めなければならなかったが、千二のになってからを思い起こして、最も印象に残っているのはその大きく条件が変わった最初の年。ナリタブライアンの参戦が大きな話題となり、フラワーパークが勝った年だ。

 高松宮記念(今年は3月27日)の1週前にはこの原稿を仕上げなければならない。そのまた1週前の日曜夜8時に、グリーンチャンネルでナリタブライアンの「栄光の名馬たち」をやるらしい。忘れかけている高松宮杯を見直せるからちょうどいい。そう思っていた。

 すると「栄光の名馬たち」当日の日曜(3月13日)、阪神競馬には、9Rにフィレンツェ、11Rにフローラルパレス。2頭のフラワーパークの子供が出てきた。

 (フィレンツェは見るからにフラワーパークに似ている。ずっと二千メートルくらいの距離で勝ちあぐねていたが、今回は千四。距離が短くなるという理由だけで馬券を買った人も多かったのではないだろうか。単勝当たって良かったですね。)

 さらに夜、「栄光の名馬たち」で1着スターマン、2着ナリタブライアンの京都新聞杯も見たわけだが、そういえばその日の中京の最終レース、1着がスターマンの仔ナゾ、2着がナリタブライアンの仔エリーナだったような。

 偶然だけど、やっぱり不思議だ。

◎入場人員レコード◎

 中京に、ナリタブライアンがやってくる。ファンは集まった。

 「15時現在、71,549名、中京競馬場の入場人員レコード、達成されています」スタート直前、実況のアナウンサーが言っている。

 大歓声の中、レコードタイムで他馬につけいるスキを与えなかったのはフラワーパーク。完勝だ。

 ナリタブライアンは後方から差を詰めて4着。

 3冠馬ナリタブライアンの1200メートルへの出走には批判的な声が多かったが、この時のナリタブライアンの走りは大好きだ。股関節炎から復帰した5歳秋以降、ゴール前でしぼんでしまうようなレースを続けていたナリタブライアンが、久々に見せた活気のある走りだったように思う。当時そう思ったが、9年経ってもう一度見て、またそう思った。

 ナリタブライアンほど極端な形ではないが、今年も、別路線、フェブラリーSでダート馬になったメイショウボーラーの参戦が注目を集める。

フラワーパーク 1992. 5. 8生 牝・鹿毛

競走成績:18戦7勝
主な勝ち鞍: 高松宮杯、スプリンターズS
ニホンピロウイナー
1980 黒鹿毛
スティールハート
ニホンピロエバート
ノーザンフラワー
1977 鹿毛
ノーザンテースト
ファイアフラワー