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| 「禁断の果実」(毎週土曜更新・2007.07.21) 
 先日のこと。
 河内氏(こうち)が「これ、激アツだよ!」と興奮気味に接近、「ニクルークベンセジュバ」とだけ書かれている1枚の紙を見せてきた。馬名らしい。調べてみて、と河内氏はニヤリ。いったい何事かとその馬を調べてみたら…それは1971年生まれのアラブ馬だった。ポルトガル産馬で芦毛の牝馬だという。ボクが生まれる前の馬じゃんか、何故こんな馬を……と血統見て、そこで気が付いた。
 本馬の父「CEJUBA EL BERANA」の血統は、父「JAECERO」、母「QKEHDAHK EX HENDA」。
 そして、本馬の母「BEN JAHD」の血統は、父「JAECERO」、母「QKEHDAHK EX HENDA」。
 そうなのだ。父と母が全兄妹なのである。(本馬の父母及び母母は「Gkehdahk」という馬名で表記されている資料もあった)
 なんということだろうか。禁断の恋。まるで昼ドラである。ちょっと想像してしまう徹君。もしこれを昼ドラにするとしたら…ニクルークベンセジュバちゃんを中心(ヒロイン)とした物語。例えば…。
 
 彼女は出生の秘密を知らず、元気に大人へと成長。美しく育った彼女はイケメンのアラブ馬太郎君と恋に落ちる。そんな幸せのさなか、彼女は自分の境遇を知ってしまう。
 そこで話は過去へとスライド、父と母の恋物語へと展開していく(母親役はニクルークベンセジュバが担当。1人2役ですね)。自分たちが兄妹であることを知らずに出会い、愛し合ってしまった2人。出産が間近に迫ったある日、母(妹)だけが実の兄妹であることを知るのだ。妹は絶望し、ニクルークベンセジュバを身篭ったまま彼(兄)の前から姿を消してしまう。理由も分からず途方に暮れる兄。そしてこの世に生まれ落ちたニクルークベンセジュバ…。
 場面は現代へと戻り、ニクルークベンセジュバは「私は生まれてはいけない子供だったのね…」と穢れた血(昼ドラですからオーバーに)を呪い、自殺を決意。が、間一髪でアラブ馬太郎に助けられるのだった。そしてこのドロドロ劇の渦に父母を巻き込みながら話はさらに加速していく――。
 まあこんな感じだろうかね昼ドラって。
 で、まじめな話。この馬がいつ日本に来たのかは分からないのだが、ニクルークベンセジュバからは、ミスシラユリ(80年産)→マルミホワイト(85年産)→ハヤテヒーロー(94年産)と血統が続いている。この曾孫以降は血が途絶えてしまったのかもしれないが、ハヤテヒーロー(牡・父ホーエイヒロボーイ)は、金沢・高知競馬で通算83戦20勝(主な勝ち鞍は99年の第7回アラブウインターカップ)と活躍。禁断の恋から約30年後、その種は日本で小さな花を咲かせたわけである。
 ちなみにちなみに。昔のアラブ血統なんぞを見ていると、父父と母父が同じ馬なんてのがゾロゾロいたりして、実は超近親配合はそれほど珍しいことでもない。父と母が実の兄妹なんてのは珍しいと思うのだが…。
 
 では競馬の話から競馬の話へ。
 先週のフィールドルージュの単勝が的中。これで通算5戦2勝。収支はマイナス百円、あと一歩だ。
 今週の函館記念はメイショウオウテ◎。前走の巴賞は函館競馬の中距離では数少ない(レースの)上がりが35秒台の競馬(過去10年の巴賞では今年の他には1度しか記録されていない)。自身は35秒2の上がりで0秒5差。届かなくても悲観する内容ではない。函館記念は巴賞とは(レースそのものの)内容がガラリと変わるはず。脚を余すなんてことはないだろう。大阪杯(メイショウサムソンに0秒2差)の内容からも力は足りる馬。人気もなさそうなので複勝を。
 
 
 
 
 
 
 
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