☆ トラックマン対談 ☆

ガビーの敗戦をどう見る?
篠崎典
桜花賞で史上初の大差勝ちを演じたテスコガビーがトライアルではトウホーパール、カバリダナーにあっさりと負けたけど、あのガビーの敗戦をどう見るかがオークスのポイントになると思うが…。
伊藤
ストで攻め馬を休んだり、桜花賞後のローテーションに無理があったからね。あれではどんな強い馬でも負けてしまうよ。
篠崎孝
厩舎でも「いつも100%の状態で出すのは難しい」といっていたよ。追い切りを終った時点では、出否未定だったぐらいだからね。
津里
でも、ガビーは気の良い馬で、確かに追い切りの動きは悪かったけど、トライアルでは自分の力を出し切っていたよ。
鳥井
そう言われれば東京四才Sでカブラヤオーの2着した時も同じ重馬場だったが、あの時よりもタイムは1秒も速かった。
篠崎孝
厩舎でも「ガビーなりに駈けている。それが証拠に今まで対戦した馬には先着している」。仲住芳師も「トウホーパール、カバリダナーの新しい力が勝った」ともらしていた。
遠藤
ガビーが体調が悪くて負けたのではなく、パール、ダナーに“力負け”したという見解だと、オークスではガビー苦戦の結論になるが…。

ガビーの変わり身が鍵だ!
岡本
弱い馬が1分34秒9の桜花賞レコードで勝てないですよ。僕はまだガビーを捨てきれない。
鳥井
一番重要なのはトライアルを叩かれてガビーが良くなっているのかどうかだと思うが…。
篠崎典
攻め馬の動きは前走よりスムーズで確実に良化しているね。
篠崎孝
「良くなるか、悪くなるか五分五分」とトライアル後を心配していた仲住芳師だが、「桜花賞なみに仕上がりそう」と明るい表情だった。
鳥井
ガビーが良化しているとなるとトウホーパール、カバリダナーを加えた“三強”の今度は本当の力対力の勝負になるね。
遠藤
そうすると、この三強のどれが一番力があるか、が問題になる。その比較をやろうか。

パール・ダナー・ガビー 一番強いのは何か?
宮崎
マイルならガビー、千八でパール、二千四百でダナー。もともとデビュー当時は“中山の一番馬”と評判だったカバリダナーの強さは本物だ。
上島
三戦目のキャリアであっさりガビーに先着したのだからね。前走はパールに差されたが、郷原騎手が「油断負け」と見たように、内容的には勝ったレースだった。
伊藤
厩舎では「休養明けの2戦目が7分、トライアルが8分、オークスは完調で臨める」と強気だ。それに緒戦は逃げ、2戦目は差し、3戦目は好位でレースを進めたように脚質に幅がある。
上島
西野騎手も「距離の心配はない。先行する馬には負けない。恐いのは追い込み馬だけ」と強気だ。
鳥井
中山ではカバリダナーで断然のムードだね。他にはいないよ。トウホーパールについては皆どう思う?
岡本
スイートフラッグ、イチコ、ハードウエイとダイハードの牝馬は一瞬の鋭い脚を使う馬が多いが、いずれも長距離は良くなかった。まして、パールは母の父がグレイソブリンで千八百メートルまでの馬だと思うね。
伊藤
そうだね。あの斬れの鋭さは短距離馬特有の脚だ。
森本
でも一年間に4連勝する馬は3〜4頭ぐらいでしょう。それをやってのけたパールの力は無視できないと思います。本当に強い馬は力で距離を克服するものですよ。
篠崎孝
でも厩舎では「小柄な馬でスタミナが心配」と弱気だよ。親子丼じゃないの?って聞いたら「先行と追い込みでタイプが違うので何ともいえない…」と言っていたね。
宮崎
いつもハイペースに恵まれての差し切りで信用出来ないよ。
上島
いやいや、たまに36秒台の末脚ならともかく、コンスタントに36秒台の末脚を使うのだから侮れないよ。

関西馬ではタニノサイアス
篠崎典
東高西低と言われるが、タニノサイアスのバネは父ほどではないが、東京で追い切った馬の中では一番だ。
篠崎孝
関西は全部弱気だったが、エナージスターの武邦騎手がタニノサイアスのバネは目立って良いと言っていたのが気になるよ。
宮崎
輸送に弱いんだが、府中入厩で輸送がないのは好材料だ。

穴馬はいないか?
津里篠崎典
アンセルモ! 前走よりグンと良化しているよ。単勝まで考えられる。
森本篠崎孝上島
ダナー、パール、ガビーの3強で堅いと思う。
岡本
白井の馬はウエスタンレディーぐらいだが、着が一杯だろう。
出口
ミヤギノチドリだ。とにかく末脚が斬れる。複勝狙いで面白い。
鳥井
三強で堅く治まりそうに思うが、オークスは荒れるからね…。みんなどうせ馬券は“穴”ばかり買うんだから損しそうだ(笑)。
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